駐車する時のコツとは?苦手な人の特徴や練習方法も解説

車の運転のなかでも「駐車が苦手」と感じる人は少なくありません。駐車は車庫入れや縦列駐車など種類によって必要な操作が異なるため、手順を理解していないと不安や焦りにつながりやすいものです。
この記事では、駐車の手順や準備、バック駐車と縦列駐車のコツを具体的に解説します。さらに、駐車が難しいと感じる理由や苦手な人に多い特徴、効果的な練習方法や適した練習場所についても紹介します。
家族や友人との外出で安心して運転したい方は、ぜひ参考にしてください。
バック駐車・縦列駐車のコツは?

駐車のなかでもとくに苦手と感じる人が多いのが、バック駐車や縦列駐車です。狭いスペースや周囲の車の位置を意識しながら操作する必要があるため、焦ってうまくハンドルを切れないことも少なくありません。
バック駐車と縦列駐車のコツを下記の表にまとめました。
| バック駐車のコツ | 縦列駐車のコツ |
| ● 周囲を確認する
● 進入角度をイメージする ● 広いスペースのある場所を選ぶ ● 自分の中で基準を見つける ● 焦らずに駐車する |
● サイドミラーの角度を調整する
● 車体を動かしながらハンドルを切らない ● バックモニターやセンサーなどを活用する |
ここではバック駐車と縦列駐車、それぞれの基本的なポイントを解説します。
バック駐車のコツ
バック駐車のコツは、下記のとおりです。
● 周囲を確認する
● 進入角度をイメージする
● 広いスペースのある場所を選ぶ
● 自分の中で基準を見つける
● 焦らずに駐車する
駐車を始める前には、まず周囲に障害物や歩行者がいないかを確認しましょう。狭い道路や駐車枠では、前方を走る車や対向車線に停車している車にも注意が必要です。
また、駐車の際には進入角度をイメージすることも大切です。どの位置から切り返せば駐車枠に収まりやすいかを頭の中で描いておくと、スムーズに操作できます。慣れないうちは、ドアを少し開けて後輪の位置を確認したり、ミラー越しに後方の白線をチェックするのも効果的です。
駐車スペースを選ぶ際は、車間に余裕のある場所を選ぶと切り返し回数を減らせます。とくに日本では左側から進入するケースが多いため、左から入りやすいスペースを選ぶと操作しやすくなります。
さらに、目安となる「基準点」を決めておくのもおすすめです。たとえば駐車枠の白線の先端付近に後輪を合わせるよう意識すると、正しい位置に車体を誘導しやすくなります。
最後に、操作は落ち着いて行いましょう。スピードを落としてゆっくり後退すれば、確認しながら安全にバック駐車できます。
縦列駐車のコツ
縦列駐車のコツは、次のとおりです。
●サイドミラーの角度を調整する
●車体を動かしながらハンドルを切らない
●バックモニターやセンサーなどを活用する
まず駐車を始める前に、サイドミラーの角度を調整しましょう。通常よりも下向きに設定すると後輪や路面との位置関係がわかりやすくなります。バックミラーも合わせて確認すると後方の車との間隔をつかみやすくなり、車体の動きを予測しやすくなります。
また、操作に慣れないうちは車を動かしながらハンドルを切るよりも、一度停止してからハンドルを操作するのが無難です。少し時間がかかっても落ち着いて進めるほうが、結果的に切り返しの回数を減らせるでしょう。
駐車を開始する位置を確認するのもコツのひとつです。前に停まっている車に平行に合わせて十分な余裕を残して停止すると、バックでの進入がスムーズになります。
バックモニターやセンサーが装備されている場合、うまく活用すると駐車しやすくなります。ただし、装置に頼りすぎず、必ずミラーや目視での確認も忘れないようにしましょう。
駐車が難しい原因
難しいとされる原因として多いのが次の2つです。
●ぶつかる可能性が高い
●ハンドル操作が真逆に感じる
それぞれの原因について解説します。
ぶつかる可能性が高い
駐車を難しく感じる要因のひとつは、車体をこすったり障害物に当たったりする危険が高いことです。とくにバックで停める際には、後方だけでなく前方の角や車体の内側の動きにも注意を払わなければなりません。
また、後退時にはリアバンパーの位置だけを意識するのではなく、フロントの先端がどのように動いているかの確認も不可欠です。ハンドルを切る角度によっては、後ろだけでなく前の角も近づいてしまいます。
なお、車体の動きを理解するには、サイドミラーを使った確認が効果的です。後輪の位置や白線との距離を見ながら下がることで、どの程度の角度で進入できるかがわかりやすくなります。
また、自信がない場合は一度停車してドアを少し開けたり、運転席から降りて後方を確認したりする方法もよいでしょう。目で確かめることで、感覚だけに頼らずに安全を確保できます。
さらに、駐車の練習をする際はわざと障害物を想定してラインを描き、車体がどう動くのかを確認しておくと理解が深まります。自分の車のサイズやハンドル操作にともなう動きを把握しておけば、狭い場所であっても落ち着いて操作できるようになるでしょう。
ぶつける可能性を減らすには確認を徹底し、ゆっくりと確実に動かすことが重要です。
ハンドル操作が真逆に感じる
ハンドルの動きが前進時と後退時で逆のように思える点も、駐車を難しく感じさせる原因のひとつです。前進中は右に回せば車体も右に動きますが、後退中は同じ操作をしても車の向きやタイヤの動き方が異なるため、混乱してしまう方は少なくありません。
駐車場のような狭い場所では、少しの操作の違いが大きなズレにつながり、慣れていないと感覚をつかむのが困難です。ハンドルを左右に切り返すうちに、自分の車がどの方向へ動いているのか把握できなくなり、枠にまっすぐ収められないこともあります。
この感覚を克服するためには、停車した状態でハンドルを回し、車体の動きを確認する練習が役立つでしょう。たとえば、駐車場で実際に後輪やフロント部分がどのように動くのかを見てみると、前進と後退の違いを理解しやすくなります。
ハンドル操作の特徴を体で覚えられれば、狭い区画でも落ち着いて駐車できるようになります。慌てず、一動作ごとに確認する習慣をつけましょう。
駐車が苦手な人の特徴
「駐車になると緊張してしまう」「なかなか一回で枠に収まらない」そんな悩みを抱える人は少なくありません。実は、駐車が苦手な人にはいくつか共通する特徴があります。苦手な人の特徴は次のとおりです。
●切り返しを何度もする
●サイドミラーを見ない
●タイヤをまっすぐに戻せない
●駐車する時の最初の位置が悪い
ここでは、それぞれの特徴について詳しく紹介します。自分が上記に該当するかどうかを確認してみてください。
切り返しを何度もする
切り返しを繰り返す運転は、駐車に苦手意識を持つ人に多く見られる特徴です。何度も進んだり下がったりを繰り返すと、自分の車がどの位置にあるのかがわからなくなり、結果として停めるまでに時間がかかってしまいます。
また、余計な動作が増えるほど焦りが強まり、判断が雑になる危険もあります。切り返しの回数を減らすためには、最初に駐車スペースへ入る角度を整えてから後退するのが効果的です。
あらかじめタイヤの動きをイメージして進入すれば無駄な動きが減り、落ち着いて駐車できるようになるでしょう。
サイドミラーを見ない
駐車中にサイドミラーを確認しない人は、左右の間隔が安定せず片寄った駐車になりがちです。左側に大きな隙間が空いたり右側へ寄りすぎたりすると、ドアが開けづらくなる他、駐車場の装置に干渉する可能性があります。
サイドミラーは、後輪の位置や車体と白線の距離を把握するうえで大切です。駐車動作に入る前に角度を調整し、両側のバランスを意識する習慣をつけましょう。
タイヤをまっすぐに戻せない
駐車枠にきれいに停められない人に多いのが、タイヤを正しい位置に戻せないパターンです。ハンドルを何度も切り返すうちに、どの位置が基準なのか分からなくなり、斜めに停まってしまうケースがよくあります。
改善のためには、停止した時に一度ハンドルを真ん中に戻すように心がけましょう。ミラーを使って車体と駐車枠の平行を確認すれば、ハンドル位置の感覚もつかみやすくなります。
駐車する時の最初の位置が悪い
スタート地点がよくわからない人も駐車に苦手意識を持ちやすい傾向にあります。最初に車を寄せる位置や角度が適切でないと、丁寧に操作しても枠内にまっすぐ収めることは難しくなるでしょう。
駐車スペースから離れすぎていたり、車体が斜めに向いていたりすると、切り返しが必要になり時間もかかります。正しい位置から始めるだけで余計な調整が減り、短時間で駐車を完了できるようになります。
こちらの記事では、運転が下手な人の特徴について解説しています。克服する方法も取り上げているため、ぜひあわせてご覧ください。
駐車の練習におすすめの場所・時間
駐車を上達させるには、落ち着いて繰り返し練習できる環境を選ぶことが大切です。駐車の練習におすすめなのは、下記の場所です。
●大型ショッピングモールの駐車場
●大きな公園の駐車スペース
●立体駐車場の屋上
上記の場所であれば比較的車両が少なく、練習に適しています。とくに入口から離れた区画は人や車の動きも落ち着いており、落ち着いて練習できるでしょう。
練習時間としては、平日の午前中や土日の早朝が狙い目です。駐車線が見やすく、人出も少ないため、周囲に気を遣いすぎることなく操作に集中できます。
駐車の手順
駐車は感覚に頼るだけでなく、基本的な手順を踏むことで安定して行えるようになります。下記の手順で、駐車は進められます。
●ステップ1.駐車スペースの前に車を止める
●ステップ2.後輪が駐車スペースに入ったらハンドルを切って下がる
●ステップ3.車を駐車スペースに対してまっすぐにして下がる
●ステップ4.駐車完了
ここでは、それぞれのステップについて解説します。
ステップ1.駐車スペースの前に車を止める
駐車をスムーズに進めるためには、最初に車を停める位置を整えることが大切です。駐車したい区画を決めたら、車体を駐車スペースに対して直角になるように寄せます。運転席の位置がおおよそ駐車枠の端付近に来たところで停止しましょう。
また、駐車枠に車を寄せることで、後退時に十分な前方の余裕が生まれ、車を回し込みやすくなります。この準備をきちんと行えば、バックでの進入もスムーズに進められるでしょう。
ステップ2.後輪が駐車スペースに入ったらハンドルを切って下がる
後輪の位置が駐車スペースに差しかかるタイミングを見て、ハンドルを大きく切って車を後退させます。この時、ハンドルは駐車したい方向と逆方向に回すことがポイントです。
後部がスペースに向かって斜めに入るように角度をつけると、車全体が枠に収まりやすくなります。車体が約45度の傾きになる位置で一度停止し、後方の安全をしっかり確認しましょう。
ステップ3.車を駐車スペースに対してまっすぐにして下がる
後部が駐車枠に入り始めたら、車体を駐車スペースに対して平行にする作業に入ります。左右の間隔が均等かどうかをミラーで確認し、中心に近い位置で一旦停止することが大切です。
次にハンドルをまっすぐに戻し、後退しながら車体をまっすぐにしていきます。白線に対して右後輪が角に差し掛かったあたりで再び停車し、今度は反対方向にハンドルを大きく回しましょう。
車体と駐車枠が平行になったところで一旦止まり、再度ハンドルを直進位置に戻します。そのままゆっくりと後退して微調整を行えば、スペースの中央にきれいに収められます。
ステップ4.駐車完了
最後は、車体の向きや位置を細かく整えましょう。枠の片側に寄っていたり、斜めに停まってしまった場合は、一度前進してから修正します。
完全に枠内に収まったらハンドルをまっすぐに戻し、車体の左右の間隔を再確認しましょう。位置が整ったらシフトレバーをパーキングに入れ、サイドブレーキをしっかりとかけて完了です。
こちらの記事では、縦列駐車のやり方について解説しています。苦手な人がやりがちなミスやコツも取り上げているため、ぜひあわせてご覧ください。
駐車の練習方法
駐車が苦手な人でも、正しい方法で練習を重ねれば確実に上達していきます。いきなり本番のような状況で練習するのではなく、安心して落ち着いて取り組める環境を選ぶことが大切です。練習方法として効果的なのが以下の3つです。
●練習しやすい場所や時間を使う
●運転が上手な人とやる
●駐車レッスンなどに参加する
それぞれの方法について解説します。
練習しやすい場所や時間を使う
駐車の練習を効果的に進めるためには、余裕のあるスペースと落ち着いた環境を選ぶことが大切です。公園の駐車場やショッピングモールの広い区画などは障害物が少なく、基礎的な練習に適しています。
ただし、混雑する時間帯や人どおりの多い時間は迷惑となるため避ける必要があります。また、駐車枠の両側に車が停まっている場所では、接触を避けるためにも練習を控えたほうがよいでしょう。
自宅以外で練習する場合は、周囲に配慮しながら行うことを忘れないようにしてください。
運転が上手な人とやる
駐車練習は一人で行うよりも、経験のある人と一緒に取り組むほうが効果的です。運転に慣れている人が同乗していれば、車体の動きや注意すべきポイントを客観的に指摘してもらえます。
外に出て車の後方やタイヤの位置を確認し、手の合図や声でサポートしてもらえば、より安心して操作できるでしょう。自分では気づきにくい癖や誤りを早い段階で修正できるため、上達のスピードも速まります。
また、複数人で練習すれば、接触事故の危険を減らせる点でも有効です。家族や友人などに協力してもらうことで、落ち着いた環境で自信をつけられます。
駐車レッスンなどに参加する
自己流での練習が不安な場合は、駐車レッスンを利用するのもよいでしょう。自動車教習所やJAF、カーシェア関連の団体が行う講習では、基礎から応用まで学べます。
マンツーマン形式であれば、自分の苦手な部分に合わせた指導を受けられるため、効率的に技術を習得できるでしょう。プロの指導を受けることで不安を減らし、短期間で成果を感じられるため、駐車が苦手な方にはとくにおすすめです。
駐車前の準備
安心して駐車できるよう、以下の準備を進めましょう。
●練習場所をしっかり選ぶ
●車の確認をする
●ミラーやシートの位置を確認する
●イメトレをする
●ハンドルやタイヤの連動や軸を確認する
●焦らずやる
それぞれの準備で何をすべきか詳しく解説します。
練習場所をしっかり選ぶ
駐車の練習を始める際には、人や車が少なく、広さに余裕のある駐車場を選びましょう。平日の大型スーパーやショッピングモールの端の区画の他、利用者の少ない公園の駐車場はおすすめです。
周囲に車が少ない環境であれば操作に集中でき、仮にやり直しが必要になっても落ち着いて取り組めるでしょう。
車の確認をする
練習を始める前には、車そのものの状態を確認しておくことが大切です。ライトやウインカーが正常に点灯するか、タイヤの空気圧に異常がないかなどをチェックしましょう。
さらに、ガソリン残量やギアの位置なども忘れずに確認しておくと安心です。車の基本的な機能が整っていないと、練習中にトラブルにつながる可能性があります。安全を確保したうえで、駐車の練習に臨みましょう。
ミラーやシートの位置を確認する
シートやミラーは、自分の体格に合わせてしっかり調整しておきましょう。ブレーキを踏んだ時に膝が軽く曲がり、ハンドルを握った時に肘が緩やかに曲がるのが理想のシートの位置です。
シートの高さを調整できる場合は、やや高めに設定すると視界が広がります。次にリクライニングを直立に近い姿勢にし、体が安定する位置に調整しましょう。
その後、ルームミラーとサイドミラーを確認し、後方や側方の状況を把握できる角度に合わせます。視野の死角を減らすように合わせることがポイントです。
イメトレをする
駐車の練習に入る前に、頭の中で一連の動作をイメージしましょう。どの地点でハンドルを切り始めるか、どのくらいの速度で下がるかをイメージすれば、実際に動かす際に迷いが減ります。
車体の動きをシミュレーションすることで、予測と実際の動作が重なりやすくなり、失敗への不安も軽減できるでしょう。
ハンドルやタイヤの連動や軸を確認する
うまく駐車するためには、ハンドルとタイヤの動きを理解しておく必要があります。停車した状態でハンドルを左右に回し、前進と後退で車がどのように動くのかを確認してみましょう。
たとえば、右にハンドルを切って前進すると右前輪が中心となり、後退では右後輪を軸に回り込むように動きます。この仕組みを把握しておけば、駐車の際に車体の動きを予測しやすくなるでしょう。
焦らずやる
駐車の練習において、焦らずに取り組む姿勢が重要です。うまくいかなくても何度でもやり直せばよいと考え、落ち着いた気持ちで臨みましょう。
スピードを抑えて丁寧に動作を行えば、余裕を持って周囲の確認もできます。焦りがあるとハンドル操作やペダル操作が雑になり、かえって難しく感じてしまいかねません。
まとめ
駐車を苦手と感じる理由には、後退時の車体感覚がつかみにくいことやハンドル操作が逆に感じられる点が挙げられます。バックや縦列駐車では、ミラーの角度調整や進入角度のイメージ、そして焦らず取り組む姿勢が重要です。
練習の際は広い駐車場や人どおりの少ない時間帯を選びましょう。こうした安心できる環境で繰り返し練習すると、自信につながります。
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